2023年5月17日水曜日

 晴れの水曜日。暑い。
 「良心の自覚」とかに期待しても、社会についての適切な知識がなければダメだから勉強しようなという趣旨の論文を半年くらい前に書いて公開した。この点については、同じ高校の後輩で一緒に読書会をしている人がコメントをくれて、その時は善意志は必要と言う後輩、そんなもんあっても知識がなければ意味がないと言う私という構図だった。しかし最近はやっぱり良心とか倫理とか道徳とか善意志とか正義とか善意とか、その手のものの失墜の悪影響も大きいような気がしていて(だからといって保守派が主導する道徳の授業の充実に賛成するつもりはまったくないが)、やっぱり良心と知識の両方が必要かもしれないと思う。自分が講義で話している内容は良いことにも使えるけれど、すごく悪いことにも使えてしまうな、としばしば思う。これをこのように悪用したら差別だからね、そうではなくてこの問題を解決する方法を考えるんだよ、と毎回授業中に言っている。有用なものは善にも悪にも使えるという現実をひしひしと感じる。
 テキストの内容をわかっているかどうかは音読させればわかる、というよく聞く説はそこそこ当たっているのかもしれない。もちろん100%そうとは言わないけれど。
 スピッツ『ひみつスタジオ』が良かった。スピッツは確かにスピッツなんだけれど、スピッツという核の周りに多彩なものが広がっている。アルバムのそれぞれの曲で豊かに幅広くスピッツらしさが表現されていてとても楽しい。まず「i-O(修理の歌)」でしっとり始まり、「跳べ」でロックなスピッツが現れて、もうこの2曲を聞いてよいアルバムだなと思う。公開時に繰り返し聞いた「美しい鰭」がすばらしいのはもちろん、スピッツが好きな人としては「オバケのロックバンド」が楽しい。どれもスピッツらしくて良い。個人的には「Sandie」の楽天的な響きと出だしの歌詞が好き。「ときめきpart1」は田島列島の『水は海に向かって流れる』の映画版主題歌とのことで、ピッタリ(なのだろうな)と思う。

open.spotify.com