2023年3月24日金曜日

 曇りの金曜日。最近読みたい小説・詩集・歌集が多く、ついつい買っては山積にしている。そして次に読む本ははどれにしようかと山の前で悩んでいる。どれもたぶん良い本なんだけど、今の自分が読める本となると答えは限定されていく。岸本佐知子柴田元幸編訳『アホウドリの迷信』です。
 うちの近所もぼちぼち桜が咲いてきた。きれい。
 文学はいくつか傾向の違う作品を気の向くままに読んでいる。今は川端康成一冊、最近の純文学一冊、海外文学一冊(さっきの『アホウドリの…』)、国内SF一冊、海外SFのアンソロジー一冊、90年代の推理小説連作短編集一冊、歌集一冊、詩集一冊ぐらいが「今読んでいる文学」の枠で…自分で書いてみて思ったけど、さすがに多くない?こんな感じなので「今読んでいる」と言いつつ前に読んでから数ヶ月放置しているものもあったりする。たとえ数ヶ月放置していても、続きを読む気がある間は「今読んでいる」です。ちなみに同じように数ヶ月放置されている本でも「中断中・再開未定」とされている本もあって、一応自分の中では区別がある。
 妙に勢いがついてしまい『アホウドリの迷信』を読み通す。こんな速さで一冊このクオリティの短編集を読み通すのは久しぶり。癖の強い英語圏文学コレクションで「玄人好み」な作品が並んでいた。そんな簡単ではない作品たちなんだけどなかなか面白い。岸本・柴田の対談も面白く、プロの読み方が垣間見えて勉強になった。良い本です。小説が好きな人にはお勧め。英語圏の短編小説が好きな人には強くお勧め。
 シェイクスピア冬物語』を読みたいな、買おうかなと思っていたのに気が付いたら『源氏物語補作 山路の露・雲隠六帖 他二篇』を注文していた。いつの間に。まあいいや。

2023年3月23日木曜日

 春の嵐の木曜日。朝は風が強く、昼頃に雨、夕方には止む。
 論文の査読結果が返ってきて採用との由。一発採用でめでたい。コメントを踏まえて多少修正して返送しましょう。
 卒業式・修了式がある。卒業・終了される皆さんおめでとうございます。4月からも頑張ってください。
 誕生日プレゼントでエビオス錠などをいただく。ありがとうございます。 
 川端康成『名人』読了。薄い本だけどゆっくり読んだ。名人の死で始まり、間に引退碁を挟んで、最後に死で終わる。生命とその終焉、囲碁というゲームの世界に生きる人たちの闘いに真摯で特異な生き様、新聞社が後ろにつくことによる興行的性格などその周囲で展開する社会と、緊密した文体で複雑なものが克明に描かれていて面白かった。次の川端作品は『眠れる美女』で、その次に『虹いくたび』とかかな。

2023年3月22日水曜日

 晴れの水曜日。やっぱり朝ごはんに紅茶をいれられるから自宅は良い。
 仕事の引き継ぎ。教えていただいていろいろとわかる。ありがとうございます。
 お昼ご飯はパン屋で買ったカスクートとカレーパン。おいしい。
 春からは同一部局内だけど今のところからは離れる。お世話になった上司の先生から備前焼のマグカップやアルションの紅茶などをいただく。ありがとうございます。マグカップはとても使いやすいです。
 急に腹痛で動けなくなる。毛布をお腹に巻いて一回休み。しばらく丸まっていたら落ち着く。しかしまだすっきりしない
 すっきりしないお腹を抱えて時間のあるうちにやっておきたいことを進めていく。お腹の具合の悪い日だから、ぼちぼちのペース。

2023年3月21日火曜日

 晴れの火曜日。家ではいつも電気シェーバーなので安全カミソリを使うとよく剃れていいな、これからこっちにしようかななんて思う。しかしパンパンとタオルで顔を拭いたら血染めになっていて、そうでしたカミソリだと切れちゃうんでした。都合マスクも血染めになってしまう。ヤダヤダ。
 散歩がてら歩いて会場に行く。目黒川沿いの桜がきれい。会場近くで少し道を間違えて慌てる。ギリギリ間に合う。
 会場に着いたら知っている人が多い。会場はきれいでいいんだけどwifiが使えないのは残念。自分の詳しくない内容のプレゼンが多くて、勉強になる。理論社会学のプレゼンは納得できる部分が多かった。ルーマンとかギデンズとかをもっと読んだらいいんだな。知人のプレゼンはカントっぽい立場からの議論だったんだけどいろいろなところが結構独特で面白かった。
 同期や知人と近所にあった中華料理屋に行く。見渡すと中華料理屋はそこら中にある。近況報告などをしながら唐揚げ陳麻飯なるものを食べる。あれこれ話して、ふと店の時計を見たらあまり時間がないので慌てて出る。ところが会場に戻って時計を見たらまだあと20分弱ある。どうもお店の時計がズレていたらしい。
 知人たちのラウンドテーブルはとても面白くて、主観性の徹底と客観性の徹底は一周回って一致するのであり、それを可能にするのは「愛」だと理解した(登壇者たちはそこまでは言っていないけれど、そういうことだと思う)。知人と感想を共有して「研究対象に愛を持って臨もう」と話す。
 学会会場でいろいろな人とご挨拶をしたのだけれど振り返ってみたら今日ご挨拶をした人はほとんど男性である。会場をぐるりと見れば自分も含めてやはり男性が多くて、偏っているなと思う。
 「教育で共生は可能か?」という問いを教育社会学の先生と長年現場で活動されてきた実践者が展開していて、本気の議論だなと思う。すごい。
 人類学者や言語学者に混じって晩御飯をいただく。「まだ我々が今よりずっと愚かだった頃の話なんですけど…」から始めて言語学者を笑かしたりした。楽しかった。人類学の先生には「大阪市内にほとんど行かない」という話を前にしているので「最近大阪市内に行った?」と聞かれる。「土曜日に行きました!」と胸を張って答える。
 品川で品川デザインのお土産を買って帰る。一つサンプルをくれたけど、サクサクのパイでした。
 新大阪について御堂筋線のホームに上がったら少し早く出られた先生がいらっしゃった。よくわからないけれど僕は追いついたらしい。お話しながら一緒に御堂筋線で帰る。

2023年3月20日月曜日

 晴れの月曜日。朝から時々くしゃみが出る。
 用事を済ませて東京に向かう。どうも東京は5年振りらしい。適当に新幹線の自由席を買ってホームに上がったらちょうど出発間近だったので飛び乗る。新幹線も5年振りなので物珍しい。ぼんやりと車窓を眺めているうちにスマホには何か色々と連絡がきていて、気がついたら同じ人にLINEとslackでばらばらと並行で連絡するよくわからない事態になっていてあれれれれ。とりあえず備前焼のマグカップをいただいたそうなので大切に使わせていただきます。ありがとうございます。
 引き続き車窓を見ていたら上の方が雲に覆われた大きな山があって、ああこれが富士山か、と今更ながら知る。結構黒々した山なんですね。
 車窓から多摩川を見る。こんなんなんだ。へー。前に新幹線に乗ったときはあんまり車窓を見ていなかったから勉強になる。
 ホテルに荷物を置いてとりあえず外へ出る。飛行機がひっきりなしに頭上を低空で飛んでいく。空港が近いんですね。目黒川沿いをぶらぶら海まで歩く。かすかに磯の香りがする。品川埠頭まで歩いてフジテレビとレインボーブリッジを遠くに見る。へー。戻る途中で東京海洋大学の横を通ったら目黒川沿い帆船がある、雲鷹丸という古い練習船らしい。北品川まで抜けて中華を食べてホテルに帰る。どうも一人だと黙々と歩きすぎてしまう。今日もそこそこの距離を歩いている。
 ホテルでテレビを点けるとチャンネルの割り当てが大阪と違うので遠くに来たなと思う。はよ帰りたい。

2023年3月19日日曜日

 晴れの日曜日。僕は右脚太ももから臀部にかけての筋肉が固まって張ることが原因の腰痛だから歩いたほうが良い。今日はスーパーやドラッグストアにお買い物に出かける。ついでに本屋に寄ったら幌山あきさんの新作があったのでとりあえず買ってしまう。幌山さんの新作は体力が要りそうな作品なので読むのはまた今度。
 午後から同期と先輩たちがオンラインシンポジウムを開催するので自宅から参加する。がんばれ。内容は自分の専門家らはやや距離があるのでそんなにちゃんとはわかっていないのですが、3人ともクリアな発表で良かったのではないでしょうか。お疲れ様でした。
 桜が開花したのでツイッターとラインのアイコンを桜っぽいデザインにする。今回のは色が薄いから見にくい気もする。色の淡さで花霞を表現しているということで。
 晩御飯どうしようか問題を抱えてスーパーに出かける。同じところに2回行っても面白くないので近所の別のスーパーへ。店内をぶらぶら歩いていたらブイヤベースの素なるものが目についたのでそれにする。あんまりよく考えずに4割引きで売られていたものたちを中心に揃えたんだけど、魚は4割引きのブリではなく定価のタラかタイにするべきでした。また今度計画的にレシピを見てまじめに作ろうと思います。

2023年3月18日土曜日

雨後曇りの土曜日。夜は降っていたけれど、出かける頃には止んでいた。
 乗代雄介「未熟な同感者」文学論とファム・ファタールとの百合とがパラレル描かれる回想録の形式をとった作品。パーツパーツの秀逸さは目を引くのだけれど全体としてみると道具立てがやや陳腐でもったいないという印象。しかし作中人物による私小説的なものと設定されているので文学論としての自意識が全面に出てきていて、これは面白い。書くこと読むこと、そして文学とは、という問いに真面目な作家さんである。改めて読書家のための作家さんであるなと思う。
 珍しく北摂を離れてお出かけする。とりあえず梅田でラーメンを食べて本屋でパラパラと見る。高山羽根子『暗闇にレンズ』を買い、国書刊行会の50周年誌などをいただく。面白い。
 珍しくJR神戸線に乗る。久しぶりに武庫川を見る。車窓が新鮮だ。
 花粉症でないとはうらやまけしからんと殺し屋のラインスタンプを送り付けてくる愉快な人にお付き合いいただいて紅茶屋に行く。人気店なので待つかなと思ったけど案外すっといける。ラッキー。彼女はキャンディー、僕はラプサン・スーチョンにする。やっぱりラプサン・スーチョンはくせが強すぎるからこういう機会でないと。店長さんにラプサン・スーチョンにはレモンが合うと教えてもらう。たしかにレモンがよく合った。お茶とケーキで楽しく話す。続いて茶葉を売っているお店に行く。店員さんからお話を聞いてそれぞれ欲しいものを買う。いいものを買った。
 川沿いを散歩して河口まで行く。フジツボやカモなど眺める。犬の散歩コースになっている。少し寒い。
 大阪まで戻って適当なお店に入る。引き続きケラケラと楽しく話す。長年の飲み友達だという人たちと同じテーブルになり、同じ話を無限ループで聞く。よくわからないけど愉快な人たちだった。握手をして別れる。
 楽しい一日でした。