2023年4月12日水曜日

 雨雲が定期的に通り抜ける水曜日。雲の合間にいるときは陽も差したりする。授業の準備で一度目を通したことのある論文を読み直して、この論文にはすごい誤植のあったことを思い出す。あまりにも突拍子のない誤植だから、このまま出版してしまった関係者は悔しかろう。
 新年度ということでまた読書会案内のポスターを作ることにする。身内用だし、多少実験的にあんまり作ったことのない感じのものにする。もう少し考えたらこの方向性で面白いものを作れるかもしれない。
 授業で他キャンパスへ行く。こっちに行くのは久し振り。書店に寄ったら今度の研究会で使いたいけどオンラインで注文ができなくなっていた雑誌があったのでこれ幸いと買う。コンビニのコーヒーをぐいっと飲んでいたら同期から初めての授業に苦戦したとの連絡が来る。お疲れ様です。時間がきたので自分も教室に行く。
 簡単な資料を配って後は主にホワイトボードにペンで書きながら授業をする。僕は板書しながら話すのが好き。僕は楽しく授業をしたけれど、受講生も楽しんでくれたかどうか。自分の板書を見たら長年お世話になっている現象学の先生の書きはるものとどこか似ていて、自分もはるかに及ばないけれどしかし先生からしっかり影響されているんだなと思った。
 授業を始めてしばらくしたところで入ってくる人がいた。しかし少人数クラスで、受講生は既に全員いる。
「えーっとあなたはどなた?」
「TAです…」
「え!この授業TAいるの!僕は何も聞いてないよ!」
「教室を間違えたかもしれないです」
「科目名は?」
「えーっと、ちょっと確認してきます」
「はい、確認してここやったらまた戻ってきてください」
「はい!」
その後、彼はこの教室には戻ってきませんでした。彼は担当する授業の教室にたどり着けたのでしょうか。
 今日は父の誕生日。おめでとうございます。ケーキをいただく。おいしかった。
『新九郎、奔る!』13巻、面白かった。室町時代の複雑な政治を背景に新九郎が金策に走り回ることを余儀なくされる話なのに、しかしこれがすがすがしい群像劇なのだ。すごい。次巻は秋らしいので楽しみに待つ。