2023年8月18日金曜日

 曇りの金曜日。昨日の疲れのため良く寝た。寝たら脚の疲労からは回復していたので睡眠は大きな効果があるものだと思った。
 昔のこと。修論提出期限1か月前に初めて海外に行って国際学会で研究発表をした。あの頃はずっと雨の中にいるようで、修論はあまり書けていなかったけれど、目先の国際学会に優先して取り組んだ。飛行機の中では高校生の頃に買ったけれどほとんど読んでいなかった岩波文庫ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』を読み、学会会場についても読んで、そのまま読み終えた。すごく緊張しながら研究発表をして、帰国して、しばらく呆然として、そして本腰をいれて修論を書いた。『論考』の何がわかったということでもないのだけれど、『論考』を読んでしばらく呆然としている間に頭の中が晴れ上がって整理されたらしく、修論を書いて提出することができた。『論考』が具体的にどう効いたのかはよくわからない。僕の論文中に『論考』の影響をうかがわせるものも特にないと思う。でも論理哲学論考を読まなかったら修論は書けなかったかもしれない。
 異動に際して本を詰め込んだ段ボール箱から出てきた『論考』を久しぶりに開く。今読んでみると改めて気がつくことが多い、というか気になるところだらけで全然読み進められない。昔の自分は『論考』を読んで頭が整理されたけれど、『論考』そのものについては本当に何もわからなかったらしい。