2023年9月30日土曜日

 曇り後雨。夜は雨の音が大きかったけれどカーテンを閉めて家の中にいたから見てはいない。
 昼間の読書会で西田研究者たちに対して人間中心主義の論陣を張ってボコボコに議論をする。会の後で日記に多少整理して書く。長くなったので独立させる。
 ユリイカで総特集トールキンが出るらしい。買って読もう。
 WIRED(2023 vol.50)に、戸坂潤の空間論を参照しながらAppleVision Proが提唱した「Spatial Computing」を論じる短い文章があった(川田十夢「Way Passed Future 川田十夢の「とっくの未来」 文学から読み解くテクノロジー vol.27 唯物論とSpatial Computing」)。戸坂の空間論に触れながらアップルの新製品を論じようとする人がいるとは驚いた。数年前に戸坂の空間論を一段落ごとに音読・検討しながら読んでいく読書会をしていたことがあるけれど(奇特な読書会に付き合ってくれた後輩たちに感謝)、あれはいろいろな意味で扱いがかなり難しい。この短いテキストでも、戸坂には軽く触れる感じであったけれど、それは短いテキストだし、仕方ない。著者は開発者らしいのだけれど、こういう古い日本のテキストも読んでいらっしゃるとは頭が下がる。WIREDを買うのは初めてだけれど、たまにはこういうのも読むもんだ。
 戸坂潤を読んでいた日本哲学読書会では、他に高橋里美を読んだりして、マイナーな日本哲学の空間論や科学論を辿ろうとしていたのだけれど、メンバー変更もあってその路線は取りやめになった。その後は後輩の修論もあるから九鬼を読んで、今は西田をやっている後輩たちもいるので『善の研究』を読む会にしている。そのうちまた日本哲学の科学論を読む会をしたい気持ちはある。