2023年10月20日金曜日

 晴れのち雨の金曜日。朝は晴れていたから、これから本当に降るのかしらと思っていたら、次第に風が強くなり、午後には降り始めた。しばらく激しく振ったあとで雨は止んだ。雨が降る前と降った後に移動したので、折りたたみ傘は使わずに済んだ。
 『善の研究』読書会をする。議論していたら一段落しか進まなかった。楽しかったからいいけれど。少し前に発見した「西田の発想の特徴を伝える方法」を西田研究をメインにしている若者にやってみたら評判が良かったので、これからは自信を持ってあちこちで使っていきたい。
 「西田の発想の特徴」を知識として伝えることはできるけれど、僕はその考え方は共有できていないので「どうもそういう人もいるらしいのだ」と言わざるをえない。たまに西田の立場で生きている人もいるので、西田的立場で生きることの具体的な内実についてはその人に聞いてほしい。
 ゆらゆらと仕事を済ませてふらふらと帰る。ぼちぼち。近所のお店で夕飯にカツカレーを食べていたらタイガースがクライマックスシリーズを制覇していた。3連勝やん。ホンマに強いねんな。
 帰ったら学会の機関誌が届いていた。オンライン公開だけだと思っていたので驚いた。大きくない学会なのに、学会誌にはうちの指導教官や大学院の同期の論文など、計10本も収録されていてすばらしい。僕の論文も10番目、最後に置かれていた。
 自分の文章を読み返すと文章が下手でがっかりする。もう少しうまく書けないものだろうか。直前まで北村薫さんの小説を読んでいたのだけれど、あのように伸びやかに暖かく、そして過不足なく書きたい。小説と論文は別物ではあるけれど、しかしそれでもだ。もっと陽に向かう若木のごとくしなやかに書けるはずだ。
 北村薫『遠い唇 北村薫自選 日常の謎作品集』北村さんの名人芸を楽しむ一冊。『冬のオペラ』の続編の「ビスケット」を読んで懐かしさに打たれました。「遠い唇」「振り仰ぐ観音図」「わらいかわせみに話すなよ」の表題作から始まる3作品はしっとりとして良かったです。

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