2023年10月12日木曜日

 晴れの木曜日。寝起きの身体は背中の筋肉が張っていてしんどい。えいやと動かして自転車に乗って大学に行くと、すこしほぐれて動けるようになる。動き始めるのが一番しんどい。
 資料を作る。実現可能そうな案、無理そうな案など、いくつか並べたりする。無理そうな案が実現したら個人的には面白いけれど、どうやったら実現するのか全く想像もつかない。
 帰りに服屋に寄って長袖シャツを買う。横にある本屋をのぞいたら早くも年賀状デザイン本が並んでいた。迫りくる2024年。本屋では特に何も買う気はなかったのに、気がついたら北村薫『遠い唇 北村薫自選 日常の謎作品集』と佐藤達夫『植物誌』を買っていた。北村さんの本は、買う。『植物誌』は巻末の市川春子さんのエッセイにつられて手に取り、メインコンテンツのボタニカルアートと小文が良さそうなのでふらっと買っちゃった。最近ピンとくる花がなくて、花瓶は空っぽが続いている。植物の絵を見て感性を戻したい。
 でも今日は、ゆうきまさみ『新九郎、奔る』の14巻を読む日なのだ。あらゆる思惑が渦巻く室町時代の群像劇で滅法面白い。本巻では新九郎の結婚と傑物太田道灌の死が描かれていて、もともと期待の高かったのだけれど、それを軽く越えてくる充実の内容だった。どのエピソードも面白かった。さらっと茶々丸が登場していて、これも強烈なワンシーンで良かった。このマンガでは太田道灌が、デヴィッド・スーシェのポワロをモデルに描かれている。これは本当は変なのだけれど、読んでいるとスーシェのポワロのような太田道灌に全く違和感を覚えないから面白い。その太田道灌も散っていく。室町時代だから、敵対するとどんどん殺されていく。死は劇的だけれど、あっけない。

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