2023年9月6-7日出国日記

 関空→香港→アムステルダムアイルランドのコークへと研究熱心な若者と一緒に行く。道連れがいると楽しい。
 手続きは随分楽になっていた。関空でのチェックインはパスポートを出すだけで済んでしまう。電子チケットの確認もない。簡素化されている。出国審査は顔認証が増えたけれど、パスポートに判子を押さなくなっていたりと簡素化が進んでいた。保安検査でうっかりしていたら道連れとはぐれる。手荷物検査でベルトを外したり着けたり、幼稚園児のころからずっと筆箱に入れて持ち運んでいるハサミの長さを測定されたりしているうちに遅れを取ってしまった。その後搭乗口で合流する。ラップトップを開いてパチパチとメールをさばき、書かないといけないものを書く。搭乗口前では「機内に持ち込みできますよ!」と言いながらお寿司を売っている人がいた。
 関空→香港便に乗る。書かないといけないものを書いたり、スマホKindle池澤春菜さんのエッセイを読んだりする。池澤さんのエッセイは面白いからおすすめ。一本一本が短いからサクッと読める上に内容が充実している。
 機内食はパン、ご飯、チキン、そば、果物、ハーゲンダッツだった。そばなのに薄いピンク色で不思議。そういえば前にフィンエアーで飛んだ時も機内食にそばがあった。その時はそばっぽい色だった。薄いピンク色のそばなんて大丈夫かしらと思ったけれど、おいしいそばだった。そしてデザートにハーゲンダッツがある。バニラ味。ハーゲンダッツは良い。おいしい。
 うちの祖母は病気がしんどくなってからもハーゲンダッツはよく食べていた。結局最期に食べたのもハーゲンダッツである。お嬢さまだったので安物のアイスは食べなかった。ハーゲンダッツを所望された。お嬢さまの矜持である。僕はそういう矜持はないので、ハーゲンダッツよりも安いアイスも食べます。
 香港国際空港での乗り継ぎは短時間なのでくるくる周りを見ながら次の搭乗口へ向かう。帰りは香港での待ち時間が長いから中華を食べたりお土産を買ったりするぞ。今回は道連れがいるから楽しいのだ。保安検査の前でもまた顔認証を受ける。わかっているから保安検査場では先にハサミを出しておく。時間が短いからサクサク行ったらフライトの方が15分遅くなったので余裕ができた。この隙にメールやラインをポンポン送って飛行機に乗る。次にwifiが使えるようになるのは13時間後。
 香港→アムステルダム便に乗る。チケットとパスポートを準備していたのに、何と顔認証だけで済んでしまった。認証された瞬間に自分の座席が表示されるというサービスつき。最近のテクノロジーの発達はすごい。座席に座っていたら何か良い香りがする。横を見ると真っ赤なバラの花束を差したリュックを手荷物入れに収納していた。おしゃれだ。
 離陸の瞬間は落ち着かないし何かガタガタと上昇していくのは怖い。離陸のたびに嫌だなと思う。飛行機は猛烈な勢いで加速しながら上昇する。現在高さ約8400メートル、時速920キロらしい。つまり分速15キロ強、秒速255メートル強。すごいな。
 さっき機内食はいただいたからもうええねんけど、もう眠いし…と乗るまでは思っていたけれど、いざ出されたら食べる。ビーフのバストラミとグリーンピースを中心としたサラダ、パンとバター、香港風の蒸しブタ・野菜に味付けをしたもの、ジャスミンライス、スイカなどの南国風の果物、そしてまたハーゲンダッツがある。一日に2つもハーゲンダッツを食べて良いのか……と思ったけれど日が変わっているっぽいからOKとする。飛行機の上だからよくわかんないけど、たぶん越えました。食事を片付けてもらった記憶がないので、どうも食べた直後に寝たらしい。機体がよく揺れるからそんなにしっかりは寝られないけれど、結局8時間くらいはうつらうつらしながら過ごした。機内は涼しく、乾燥している。マスクをして毛布を引っ被って寝た。朝食はパン、焼きそば、果物、ヨーグルト、コーヒー。コーヒーが薄かった。
 アムステルダムスキポール空港は保安検査がまじめだった。怪しいものは持っていないから大丈夫だったけど。小さい本屋があったのでのぞいてみたらカズオ・イシグロの『クララとおひさま』などに並んで夏川草介や青山美智子の小説の翻訳が平積みで並んでいた。このサイズの本屋で平積みということは相当売れているんでしょうね。日本の純文学の海外進出の話は知っていたけれど、こういうハートウォーミング系も翻訳されているのだな。もう少しよく本屋を見たらポケモンカードも売っていた。一瞬買おうかと思ったけど、お土産で妹にあげてもそんなに喜ばれないだろうからやめておく。薄くないコーヒーが飲みたいのでキオスクで買ったらSサイズが3ユーロ25セントで高い…ヨーロッパを感じる。コーヒーを飲んで歯を磨いて目的地コークまでの飛行機を待つ。僕たちが待ち始めたときは閑散としていたのだけれど、だんだん人が集まってくる。
 アムステルダム→コークの搭乗手続きは顔認証ではなく係員さんによる手続きだった。パスポートを見た瞬間からところどころよくわからない日本語で対応していただく。飛行機はやや小さめ。シートにビデオがないからセーフティの説明は乗務員さんの実演である。ちょうど真横で説明されたのでとてもわかりやすかった。眠くなったので離陸直後から寝ていた。乗務員さんがコーヒーなどを機内販売する声で起きた。今回はずっと通路側だった。窓の外を見る機会がなかったのは残念。ということで無事にコークに着陸する。入国審査もスムーズに済み、無事に入国する。コークだ。