晴れの日曜日。
グーグルピクセルの広告が流れている。曰く「「ベストテイク」は、10秒以内に 5~7枚の連写撮影をし、その中から1人ずつ良い表情を選択して、1枚の集合写真を作ることができる」らしい。年を追うごとに写真の加工がお手軽で当たり前のものになっていく。写真が証拠機能を持つものとしては扱われることもなくなっていくのかもしれない。こうなると写真は「又聞き」などと同じくらい当てにならないものになっていく。言葉についての人間の記憶のように、写真は人間の都合の良いようにすり替えられるものになる。写真はありのままの自然ではなく、意識の中の自然を写すようになる。
長いこと積んでいた飛浩隆『零號琴』を読み終える。大変な作品だった。感想を書いたら長くなったので別項にする。すごかった。次はSFマガジンで連載されている廃園の天使シリーズの続刊『空の園丁』、そしてその先の出版を待つばかり。廃園の天使シリーズが完結するまでは小説を読める人として生きていたい。飛浩隆が廃園の天使シリーズを完結させるという日本SF文学史の特大事件を目撃したい。
ハイデガーと同時代に生きて『存在と時間』を読んだ人は、『存在と時間』が完成するまでは哲学書を読める人として生きていたい。ハイデガーが『存在と時間』を完成させるという哲学史の特大事件を目撃したいと思っていたのだろうか。そら絶対に思ってるわな。
夕飯は辛さをミニマムにしたスープカレーを食べた。もはや辛いものは食べれない。全然辛くないはずなのに汗をかいた。でもおいしかった。