2024年3月16日土曜日

 晴れの土曜日。時差ボケで早く目が覚める。

 朝ご飯を食べてロンドン探索に出かける。平らで歩きやすい街である。ハイド公園からバッキンガム宮殿へとぶらぶら回る。ランニングをしている人も多い。ザ・マルではペリカンたちがバッキンガム宮殿の方向に行進していた。セント・ジェームズ・パークに池に住んでいるペリカンたちのようだ。宮殿の前のウェストミンスターカテドラルからウェストミンスター寺院へ。ウェストミンスター寺院はAbbyであり、そして何よりお墓であった。南無南無と言いたくなるけれど、国教会の寺院で言うものでもない。

 テムズ川を眺めてぶらぶら歩いていたらお昼時になる。シャーロック・ホームズなるいかにもな名前のパブがあったので入る。キッチンはまだ準備中だから少し待てと言われ、紅茶を飲みながら待つ。ここで手元にホームズでもあればいいのだろうけれど、生憎あるのは英国文学でも『シルマリルの物語』である。読みながら待つ。ステーキアンドエールパイなるものを頼んだら焼いたキャベツとビーフシチュー入りのパイが出てきた。パイは小麦粉の粉っぽさが目立ち、美味しくはない。英国生活は厳しい。

 近くの教会やサマセット・ハウスの巨大なキティちゃんなどを見て歩き、ストランド通りにあるトワイニングの本店に入る。すごく小さいけれど品揃えが多い。その昔に祖父が「これはすごいぞ、ロッシャン・キャラバンや」と言いながらいれてくれたロシアン・キャラバンもある。茶葉2つ分の料金で3つ買えるとのことで、ロシアン・キャラバンなどを3つ買う。そこから少し北に上がってデビッド・スーシェ版のポワロの自宅があるという設定になっていたマンションを見に行く。もちろん現役のマンションだから観て写真を撮るだけ。その近くの修道院売店でイギリスの歴代の王・女王が記された定規が売っていたのでこれは祖父のお土産にする。自分用も合わせて2つ買う。シティの銀行街を抜けてロンドン橋へ。ロンドン橋は落ちなさそうなコンクリートの橋であった。ロンドン橋で向こう岸に渡って、タワーブリッジでこちら側に戻る。タワーブリッジは趣のある分、人が多い。ロンドン塔へ向かう。あまりよく知らなかったのだけれど、ロンドン塔は長きに渡って様々な役割を担ったイギリスの要衝だったらしい。見所の多いところだった。カラスがシンボルらしいのだけれど、カラスが人間に慣れきっていて、人とカラスが並んで記念写真を撮っていた。

 ロンドン塔からロンドン・ブリッジ駅まで戻り、満員の地下鉄に乗って帰る。食欲もあまりないので、駅の売店で買ったスパークリングウォーターとサンドイッチで済ます。よく歩いた。

 しかし昔のように石造りの装飾の多い大きくて古そうな建物というだけでは驚かなくなってきていて、自分もそろそろヨーロッパの石造りの町並みに慣れてきたのだと思う。