2024年11月20日水曜日

 晴れ。寒い。

 その昔、父方の祖母のところに冬に行くと「あんた寒いねんからマフラーくらいし。あったかいよ」と言ってよくマフラーをくれた。確認するとそうやってもらったマフラーは4つ。そのうちひとつはハンドメイド品。ふたつはスコットランド製で、もうひとつはMade in Britainとあるからイギリスのどこか。他にも祖母からもらったものを見ると結構スコットランド製のものが多い。そういえば祖父も「ネス湖はいいんや」とか「スカイ島はええで」とか、たまに言っている。スコットランド好きのようだ。

 父がいつも『にっぽん縦断自転車旅』を観ていた火野正平さんが亡くなったとのこと。あの飄々とした自転車旅行はもう観れないのだな。

2024年11月19日火曜日

 雨のち晴れ。寒い。この前まで半袖だったのに、急に寒くなった。

 谷川俊太郎逝去とのこと。小さいころから『鉄腕アトム』の歌を歌い、小学校で『スイミー』を読み、祖父の本棚の『ピーナッツ』のマンガで「おなじみいいやつチャーリー・ブラウン」と出会い、大学生になって『自選 谷川俊太郎詩集』を読んで偉大な、本当に偉大な詩人であると知り、そして日々頻繁に発表される新作やインタビューを感心しながら読んだ。一読者としてとてもお世話になった。ありがとうございました。

 中学生のころに学年集会で先生が「当たり前のことを当たり前にできるようになりましょう」と私たちを指導していたことをしばしば思い出す。まず「当たり前」という言葉の暴力性というか、人を一定の型へと整形しようとする言葉だったなと思う。そしてもう一つ思うのは、その時先生が「当たり前」という言葉で指していたことをできる大人はほとんどおらず、「当たり前」というのは幻想でしかなかったということ。そういう風に指導していた先生も、少なくとも後者については自覚していたと思うのだけれど、どういうつもりで僕たちに言っていたのかなとたまに思う。

2024年11月18日月曜日

 晴れ。風が強くて寒い。

 来月の出張の宿を予約したいのだけれど、えらく高騰しているので買えないでいる。なんかまともな金額のところはないかなと見ていたら1万円台後半でビジネスホテルの空室が出ていたので予約をしようとしたのだが、モタモタしているうちに誰かに先を越されてしまった。残念。

 父方の祖母の父の家系は山形の出だったそうで、祖母も山形のものが好きだった。山形といえば洋梨。祖母はしばしば洋梨を剥いて出してくれた。おいしかった。普段はあまり洋梨は食べないけれど、今年の春にエディンバラに行ったらスーパーでビニール袋に詰め込まれた小ぶりな洋梨が売られていたので、買って食べていた。本場ヨーロッパの洋梨もおいしかった。そして今日は大きくて個包装のラ・フランスをいただいた。エディンバラで食べていたものよりも濃厚で上等な果物の味がした。洋梨はいつもおいしい。

2024年11月17日日曜日

 曇り。

 朝からオンラインで勉強会の連続。午前の会では後輩の博論の話を聞く。とても面白かった。いろいろと気がつかされるものがあった。提出まであと少しだから頑張ってもらいたい。午後の会ではまた別の後輩の修論の話を聞く。あまり先行研究がないものだったけれど、これはしっかり書いたら哲学史、思想史の重要な議論に光を当てる興味深いものになると思う。みんな体調に気を付けて、最後まで書き上げてください。

 小さい頃は兵庫の明石に住んでいたので、今日の選挙結果にはひときわ厳しいものを感じる。これからどうなるのだろう。

 文字から映像へ、そしてマスメディアが放送する映像から個人が投稿する映像へとメディアの中心が移り変わっている中で、反時代的に活字を読んで書くことを生業とし、テレビは観てもYouTubeはほぼ観ない生活をしている私は完全に置いていかれて化石のような人になってしまうのだろうか。

2024年11月16日土曜日

 曇りのち雨。

 近所の雑貨屋さんでムレスナティーのキューブボックスを買う。あのポエムが書かれたド派手なやつ。見た目はちょっと引くんだけど、あの値段であのクオリティ、そしてあれほどたくさんの種類を売り出しているのに、ほぼハズレ無しの安定感。ムレスナティーはすごいと思う。今回はイギリスに行きたい気持ちにつられてロンドンをイメージしたものを、もう一つは落ち着いたらアメリカも行ってみたいねの気持ちでニューヨークをイメージしたものを買った。

 明日はオンラインで研究会が2つあるから、土日にすることは今日のうちになるべく済ませておこうと思う。とりあえず一番大事な仕事は終わらせた。

2024年11月15日金曜日

 曇り時々雨。

 『善の研究』読書会をする。テキストの分析から話を広げて、西田と田辺のそれぞれの絶対無の違いといった割と大きめの話をした。後輩も大きめの話をしたのでとても良かった。彼は本当によく勉強している。

 ご飯がイマイチだったり、シャワーからたまにお湯が出なかったり、物価はバカみたいに高かったり、天気もだいたいずっと曇りか小雨だったりしたけれど、またイギリス行きたいとたまに思っている。なんかイギリスは好きなんだよね。

2024年11月14日木曜日

 晴れ。

 購買で『美しの神の伝え:萩尾望都小説集』を買おうかどうしようかと思いながら見ていたら知人に声をかけられる。「小説読むんですか」と聞かれたので「趣味ですからね。結局積読ばっかりですけどね。萩尾望都はマンガ家だけど文章もいいんですよね」とか話す。お互いに仕事をしていると本は読めぬ、メールを書いてばかりで本が読めぬ、メールは一通送ると返信が来て、そこからどんどん増殖するなどと適当なことを話す。結局『美しの神の伝え:萩尾望都小説集』と円城塔訳『雨月物語』を買う。本は読めないけど、買う。買ったらそのうち読む。たぶん。

 適当なことを話して元気になったのであきらめてメールをたくさん書く。今日は夕方までメール書きに埋もれる。

 買ったばかりの円城塔訳『雨月物語』をめくる。数ページ読んだところでこれは素晴らしい現代語訳だと思った。原文の風格(一応僕も原文で読んでいる)と現代日本語としての読みやすさ両立した流麗な訳だ。専門家ではないから学術的なことはわからないけれど、一介の小説読みには理想的な現代語訳に見える。良い本を買った。

www.kawade.co.jp

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