2023年2月12日日曜日

 晴れで暖かい日曜日。
 『百合小説コレクションwiz』を少し前から読んでいる。一作目の斜線堂有紀「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」がすごい。ここで描かれているものは現代社会の一つの問題だから今生きている人間みんなに読んでもらいたい。はっきり言って「えぐい」んだけど、この「えぐさ」は素晴らしい。これをこのアンソロジーに持ってくる斜線堂さんもすごければアンソロジーの一作目に置く編集もすごい。
 欠けているティーポットで僕に続いて母も父も指を切ったのでこの子は使用を取りやめる。残念。この子は2ヶ月ほどしか使えなかった。
 携帯電話販売店に行って手続きをする。勘違いして予約時間より30分早く行ってしまったのに嫌な顔をせずに対応していただく。申し訳ない。ありがとうございます。手続きは簡単に終わる。販売店は斬新なレイアウトで、これはもはや若干使いにくくないかなと思う。もう一つ気が付いたのはこの店舗は店員さんが全員男性であること。1人スーツの人がいるだけで、それ以外みな黒のスニーカーとズボン、白のTシャツにベージュのカーディガンで統一している。独特なレイアウトと統一された服装の男性で空間が構成されているので非日常感がある。
 あんまり何も買う気はなく本屋に入ったら『ポーの一族』の新刊が平積みされていたので買う。年に一度の定例行事になってきた。ついでにハン・ガン『すべての、白いものたち』と今村夏子『紫のスカートの女』も買って帰る。あれ、何も買う気がなかったのに。
 スマホの設定。前のスマホが古すぎてあまりうまく行かない。地道にポチポチする。新しい子はなかなか使いやすい。快適である。めでたい。「スマホを買い替える」は2月の目標の1つだったので達成できてよかった。
 『ポーの一族 青のパンドラ1』表紙絵がいいですね。ポーの一族の歴史に迫るストーリー、そしていよいよアラン復活へと向けた展開と、結構衝撃的でした。大老ポーはよくしゃべるんですね。意外です。
 夕方になって疲れが出て寝る。そういえば先週もそうだった。起きて『SFが読みたい!』2023年版をパラパラ見る。昨年の本では『法治の獣』の評価が高いみたいなんだけど、僕はオンラインで一部公開された時に少し読んでイマイチ好きになれなかったので閉じてしまった。もう一回読んでみようか。2023年も面白そうな本がたくさん出るみたいだけど、どれだけ読めるかな。

「…マイクロフトに変わるから…」
マイクロソフトな」
「間違えた。マイクロフトはシャーロック・ホームズの兄や」
「あんた読んでないのに何でそんなん知ってんの?」
「読んでないけど三谷幸喜の人形劇も見たし、ベネ様のドラマ版も見たし、何ならロバート・ダウニー・Jr.版も見た」
「僕よりもよく見てるやん。原作は家に揃ってるから読めば」
「それはいい」

 『シャーロック・ホームズ』は河出文庫版で揃えてある。本当はクリスティーも一通り揃えて「ポワロ」「ミス・マープル」「トミーとタペンス」とかもよく読みたいのだけど、そういうのは暇な大学生のうちのしておくべきだったな。
 『百合小説コレクションwiz』の二作目「あの日、私たちはバスに乗った」の著者小野繙さんは後輩の後輩とのことでなので、後輩に感想を送る。お話しとして非常に面白くてもうそれだけで十分に良いのですが、それに加えて素晴らしいのはこの小説がコロナで失われた日々への悔しさに対してフィクションができることを力強く称揚する作品とも読めることでしょう。これは見事だと思います。百合小説らしい人間への繊細なまなざしと、今まさに求められるビジョンの提示の両方がなされていて、良い作品です。次回作も楽しみにしています。